不動産投資
2026.02.26

不動産投資は本当に割に合わないのか?危険な例と真実

不動産投資は本当に割に合わないのか?危険な例と真実

不動産投資は、長期的に家賃収入を得られる仕組みがある一方で、想定していた利益を得られず、割に合わないと感じる人がいるのも事実です。

安定して利益を得るには、物件選びや資金計画だけでなく、建物の老朽化による修繕費や想定外の支出も含めて考える必要があります。表面的な成功事例だけでは見えにくい不動産投資の実態を把握しながら、自分にとって本当に向いている投資なのかを考えていきましょう。

この記事の目次

不動産投資が割に合わないと考えられている理由

不動産投資が割に合わないと考えられている理由として、物件の取得費用が高額であることや空室リスクなどが挙げられます。

まずは、理由を説明するとともに回避策について詳しくみていきましょう。

取得費用が高額である

さまざまな投資方法がある中で、不動産投資は物件購入時に高額な費用が発生するため、取得費などの初期費用を回収するまでに時間がかかりやすいといえます。

株式や金などの資産への投資は少額から始められるので、自己資金内で運用できるケースがみられます。一方で、不動産投資は運用対象となる物件が数百~数千万円に及ぶため、自己資金のほかに金融機関などから融資を受けるのが一般的です。

融資を利用すると毎月の返済が発生し、取得費が高額な物件ほど返済負担が重くなります。場合によっては、家賃収入よりも支出が上回り、「手元にお金が残らない」と感じやすくなるでしょう。

将来的に売却益が得られる可能性はあるものの、回収までには時間がかかるため、不動産投資は割に合わないといわれる理由の一つとなっています。

リスクが多い

不動産投資で考えられるリスクとして、主に下記の6つが考えられます。これらのリスクには回避策があるため、あらかじめ対応しておくことで発生するリスクを軽減することが可能です。

不動産投資のリスク リスクの概要 リスクの回避策
空室リスク 物件に入居者が集まらず、家賃収入が減少する。 ・人口増加が見込まれるエリアの物件を購入する。
・周辺エリアの家賃相場に合わせて家賃設定する。
滞納リスク 入居者が決められた期限内に家賃を支払わない可能性がある。 ・入居審査で収入を確認するなど審査内容を厳しくする。
・管理会社の家賃保証を利用する。
老朽化リスク 時間の経過などで建物が老朽化し、大規模な修繕が必要になる可能性がある。 ・こまめに建物のメンテナンスを実施する。
・修繕のためにお金を積み立てておく。
資産価値下落リスク 周辺環境の変化などで地価が下落するなどし、資産価値が下落する可能性がある。 ・今後地価が上昇しそうなエリアの物件を選ぶ。
・定期的に修繕を実施する。
金利上昇リスク 金融政策の変化などで借入しているローンの金利が上昇する可能性がある。 ・金融情勢によって、借入時に固定金利を選択する。
・繰上げ返済などで借入の元金を減らす。
自然災害リスク 地震や水害などの自然災害により建物が損傷するなどの可能性がある。 ・火災保険や地震保険に加入しておく。
・購入物件の耐震性に問題がないか確認しておく。

特に、購入物件を検討する段階で回避できるリスクも多いので、慎重に考慮しながら物件を選ぶと良いでしょう。

流動性が低い

不動産投資は、他の投資方法と比較すると流動性が低いため、割に合わないと考える方もいます。

すぐに売却して現金化できる株式と比較すると、不動産は売却できるまで3カ月以上はかかるためです。また、買主を見つけて売買契約を締結するなど、売り手の手間がかかる点も挙げられます。

早期に現金化するために売却活動が重要で、信頼できる不動産会社に相談することで売却活動はスムーズに進められるでしょう。

不動産投資は本当に割に合わない?

不動産投資はリスクや手間、資金負担を踏まえても、本当に「割に合わない投資」なのでしょうか。

不動産投資は、単に儲かるかどうかだけで評価できるものではありません。将来的にどの程度の収益が見込めるのかに加え、管理の手間や想定されるリスクがリターンに見合っているかどうかで考えることが大切です。

不動産投資家の実情や本当に割に合う投資なのか検証していきましょう。

オーナーの年収は増加傾向にある

国税庁の調査によると、不動産所得者の中には一定以上の所得を得ている層も存在します。令和5年の資料ですが詳しく見ていきましょう。

所得階級 所得金額(億円)
100万円以下 456
100万円超200万円以下 2,957
200万円超300万円以下 4,414
300万円超500万円以下 9,932
500万円超1,000万円以下 17,090
1,000万円超2,000万円以下 12,553
2,000万円超5,000万円以下 7,355
5,000万円超1億円以下 1,854
1億円超 1,045

令和5年度の申告所得税の調査結果によると、1,000万円超2,000万円以下の割合は全体の20%以上を占めています。そのため、利益をあげている層が一定数はいると考えられます。

参考:国税庁「令和5年分 申告所得税標本調査 申告所得税標本調査

多くの投資家が滞りなくローンを返済できている

不動産投資では、多くの方が金融機関のローンを利用しています。ローン返済が滞ると、生活が立ち行かなくなるのは一般的な住宅ローンと変わりありません。

ただし、投資用ローンは住宅ローンよりも審査が厳しいといわれています。物件の収益性や借り手の返済能力を踏まえて審査されるため、無理な条件で融資が実行されるケースはほぼないといえるでしょう。

とはいえ、ローン返済が問題なくできていることと、「投資として割に合っているか」というのは全くの別問題です。返済自体は滞りなく進んでいても、空室による家賃収入の減少、修繕費や税負担などを加味すると、想定してよりも手元にお金が残らないケースもあります。

不動産投資では、長期的な視点で収支を考えて判断することが重要です。

不動産投資のメリット

不動産投資のメリットとして、長期的に安定した家賃収入が得られる、相続税対策に活用できるなどが挙げられます。メリットについて詳しくみていきましょう。

長期的に安定した家賃収入が得られる

不動産投資のメリットとして、株式投資などに比べ長期的に安定した家賃収入が得られる点が挙げられます。株式投資は価格が日々変動するため、収入が安定しないことがありますが、不動産投資は基本的に毎月決まった家賃が入金されます。

入居者が入れ替わるタイミングや周辺の家賃相場の変化で家賃が変わることもありますが、入居者が定着していれば収入が安定する点は大きなメリットです。

副業でも経営できる

不動産投資は入居者の募集や家賃の回収を管理会社へ委託することで、副業としても無理なく経営できます。

管理会社に管理業務を委託することで、入居者が集まりやすくなったり、入居者同士のトラブルにも対応してもらえたりするメリットもあります。ただし、委託する場合は別途費用が発生する点には注意が必要です。

相続税対策になる

不動産投資は、資産を管理する上で相続税対策にも活用できます。不動産の相続税評価額は購入額よりも低くなりやすく、賃貸物件であれば居住用の不動産よりも更に低く評価されるため、相続税を圧縮する効果が期待できるのです。

ただし、区分マンションの場合は評価方法が2024年から改正になってる点や、相続税対策が過度に行われると「租税回避(税法が想定していない方法で納税額を減税する行為)」とみなされる可能性がある点には留意しましょう。

参考:国税庁「居住用の区分所有財産」の評価が変わりました

不動産投資が割に合わないと言われる事例と対策

不動産投資では、物件選びや資金計画を誤ると、想定していた利益に対して負担やリスクが上回り、「割に合わない」と感じてしまうことがあります。

割に合わないと言われる代表的な事例と、その対策方法について詳しく解説します。

投資効率を悪化させるケース

不動産投資は効率よく稼がなければ、想定よりも時間や労力がかかるため、リターンが見合わないと感じることがあります。

効率が悪くなりやすい事例をご紹介しますので参考にしてみてください。

無理なローンを組まされる

不動産投資では、物件を購入するために高額な資金が必要になりますが、全額を自己資金でまかなえるケースは多くありません。基本的には一部の自己資金を投入し、残りはローンを利用して取得することになります。

返済額が大きいローンを組んでしまうと、家賃収入の大部分がローン返済に充てられ、運用の自由度が大きく制限されます。空室や修繕が発生した際も柔軟な対応ができず、常に返済を優先せざるを得ない状態になりがちです。

そのような運用になってしまうと、投資としての効率が悪く、「割に合わない」と感じる原因になります。問題なく運用するためにも、借入額や返済条件などを事前に確認しておくことが大切です。

空室が埋まらない

不動産投資では、入居者から得られる家賃が収入の中心となるため、空室期間が長引くほど収益効率は低下します。

空室を改善するために、家賃の見直しや広告費の追加、設備改善といった対応が必要になり、想定していなかった手間やコストが発生します。

このように、空室が埋まらないことで収益性と運用効率が下がってしまうのです。

不動産会社や管理会社の意見を鵜呑みにした

不動産投資では、最終的な判断は投資家自身が行う必要があります。不動産会社や管理会社の提案を十分に検証せず、そのまま受け入れてしまうと、想定と異なる運用を強いられるケースがあるため注意が必要です。

たとえば、利回りが高いと説明された物件でも、表面利回りのみで計算されており、修繕費や管理費を考慮した実質利回りでは採算が合わないことがあります。また、築年数の古い物件は修繕リスクが高く、購入後に想定外の出費が発生することも少なくありません。

このように、信頼できない業者に投資の判断を任せてしまうのは危険です。収益性の低下だけでなく、運用の手間や負担が増えることで「割に合わない」状態になってしまうでしょう。

悪徳業者に騙されないコツ

不動産投資が「割に合わない」と感じてしまう背景には、物件そのものではなく、提案する業者側の問題が影響しているケースもあります。

投資の効率を下げやすい業者の特徴と、その見分け方を整理します。

行政処分を受けていないか確認する

不動産会社が過去に行政処分を受けている場合、法令違反だけでなく、強引な営業や不十分な説明を行っていた可能性があります。

このような業者と取引すると、購入後に不利な条件が判明し、追加対応や計画の見直しを迫られることもあります。結果として、想定していた収益性や運用効率が損なわれ、「割に合わない投資」になってしまうリスクが高まるのです。

過去の行政処分情報は、自治体のウェブサイトや宅地建物取引業者名簿などで確認できるため、事前にチェックしておくとよいでしょう。

新築マンションばかりを紹介してくる

新築物件は、販売価格に広告費や販売手数料が上乗せされていることが多く、購入直後から収益性が低下するケースがあります。

物件の候補を十分に比較しないまま決めてしまうと、利回りや将来の売却時に不利な条件を抱えることになり、結果として投資効率が悪化します。物件種別に偏らず、条件の異なる選択肢を比較して見極めることが大切です。

契約を急かす

投資家に十分な検討時間を与えず、売買契約を急がせる業者も注意が必要です。不動産投資は長期的な収支計画が重要であり、短時間の判断で決めるものではありません。

契約を急かされる状況では、利回りの前提条件や修繕リスク、出口戦略などの確認が不十分になりがちです。その結果、購入後に想定外の対応や調整が必要となり、時間やコストの負担が増えることがあります。

疑問点をきちんと解消し、納得できる条件を提示してくれる不動産会社と契約しましょう。

不動産投資で成功するポイント

不動産投資が「割に合わない」と感じられる背景には、物件選びだけでなく、判断基準や準備不足が影響しているケースがあります。

想定外の対応や負担が増えないようにするためにも、不動産投資の効率を下げないためのポイントを解説します。

勉強を欠かさない

不動産投資では建築基準法や税務など、法律に関する要素が数多くあります。これらの知識が不足していると、不動産会社や金融機関の提案を十分に検証できず、結果として効率の悪い運営をしてしまうことがあります。

不動産投資家として最低限の知識を身につけておくことで、物件の比較やリスクの把握がしやすくなり、トラブルを軽減することにもつながります。ウェブサイトや書籍だけでなく、セミナーなども活用しながら、継続的に情報を整理していくことが大切です。

投資を始める目的を明確にする

不動産投資を始める目的を明確にしておくと、目的を達成するために何が必要なのかを見極められるようになります。

たとえば、副業として収益を得るのが目的の場合は、毎月どのくらいの収入がほしいのか、目的を達成するにはどのような物件が必要なのかなど考える必要があるでしょう。不動産投資を行っている方に目的を聞いてみて、参考にするのもおすすめです。

この記事を書いた人

著者写真 TERAKO編集部
小田急不動産
飯野一久

「一期一会」がモットーです。これまでの投資不動産の売却・購入・資産の入れ替えの実務を通じて得られた知見を、少しでも、皆様に、わかりやく、丁寧にお伝え出来たらと思っております。 著者の記事一覧はコチラ
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