不動産投資
2026.02.26

5000万円でマンション一棟買いは可能?物件の選び方と投資シミュレーション

5000万円でマンション一棟買いは可能?物件の選び方と投資シミュレーション

一棟マンションはアパートに比べて価格が高く、5,000万円という予算でも、エリアによっては物件の選択肢が限られます。ただし、良い条件の物件を見つけられれば、利益を上げながら賃貸経営が可能です。

重要なのは、価格の安さだけで判断せず、エリアや築年数、収益性などを考慮して冷静に検討することです。5,000万円という予算の中で、将来性のある一棟マンションの選び方と注意すべき点をご紹介します。

この記事の目次

5000万円で購入可能な一棟マンションの条件

基本的にマンション一棟は戸数が多いため、5,000万円という予算でも購入できる物件は多くありません。

そのため、限られた選択肢の中から、条件の良い物件をいかに見極めるかが重要になります。エリア・戸数・築年数・構造の観点から、5,000万円で狙える現実的な物件の条件をわかりやすく解説します。

エリア

マンションの価格はエリアによって大きく変動します。5,000万円という予算で一棟投資を始めるのであれば、相場が安めのエリアを選ぶことになるでしょう。

購入資金5,000万円でマンション一棟買いを検討しやすいエリアとして、次のような条件が挙げられます。

  • 東京都の23区外
  • 駅から徒歩15分以上のエリア
  • 地方都市や首都圏の郊外エリア

都市部の駅近エリアにある一棟マンションを、5,000万円で購入しようと考えるのはあまり現実的ではありません。エリアや立地条件を調整することで、賃貸需要と価格のバランスが取れた物件を見つけられる可能性があります。

戸数

賃貸物件の購入にかかる費用は戸数によって大きく変動します。基本的には、戸数の多いマンションほど価格も高くなる傾向です。

5,000万円という予算の場合、エリアや築年数などの条件次第ですが、総戸数10戸程度が現実的な目安といえるでしょう。地方にあるマンションであれば、総戸数20戸程度の一棟マンションを購入できる可能性もあります。

築年数

マンションに限らず、不動産は築年数が新しいほど価値が高い傾向です。エリアにもよりますが、築年数が比較的新しいマンションを5,000万円で一棟買いするのは難しいでしょう。

特に築15年以内のマンションは、比較的新しいため5,000万円を超えるケースがほとんどです。

築30年を超えている物件であれば、一棟でも5,000万円以内で購入できるマンションがみられます。ただし、築年数が経過したマンションは老朽化が進んでおり、購入直後に大規模修繕が必要になるおそれがあります。

築年数が経過したマンションを選ぶ際は、老朽化の程度や直近で行われた修繕工事の時期、室内の状況を確認してから検討しましょう。

構造

マンションの構造とそれに伴う特徴としては以下の3種類が挙げられます。

構造 特徴
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) ・耐震性に優れている
・高層建築で用いられている
・3種類の中で最も高価
鉄筋コンクリート造(RC造) ・耐震性・耐火性に優れている
・低層建築から高層建築まで幅広く用いられている
鉄骨造(S造) ・柱や梁に鉄骨を使用し、軽量で建築コストを抑えやすい
・工期が比較的短く済む

工事費用はS造、RC造、SRC造の順で高くなっていきます。つまり、5,000万円の予算で一棟買いするにはSRC造は適していない、ということです。S造は比較的コストを抑えやすい構造ですが、マンションでは重量鉄骨造(S造)が採用されるケースが多く、RC造との価格差があまりない場合があります。

5000万円でマンション一棟買いした場合の投資シミュレーション

5,000万円でマンション一棟買いをした場合のシミュレーションをご紹介します。

前提として、マンション一棟買いでは物件の購入価格だけでなく、購入時の諸経費も考える必要があります。諸経費は購入価額の10%程度が目安です。

以上を踏まえて、今回は以下の設定で投資シミュレーションを行います。

  • 物件価格:4,500万円
  • 購入時の諸経費:450万円(購入価額の10%)
  • 築年数:30年
  • 戸数:6戸
  • 年間の家賃収入:1戸あたり60万円 満室時360万円
  • 年間の諸経費:90万円(満室時の家賃収入の25%)

一般的に、賃貸マンションの投資シミュレーションでは、表面利回りと実質利回りの2つを計算します。

表面利回りとは、年間の家賃収入を不動産の物件価格で割ったもので、大まかな指標となるものです。計算が単純かつ賃貸経営の経験がない方でも計算しやすいため、実質利回りよりも多くの場面で利用されています。

今回の設定の場合、満室時の表面利回りは以下のようになります。

  • 年間の家賃収入360万円 ÷ 物件価格4,500万円 × 100=8%

続いて実質利回りです。実質利回りは年間の家賃収入から諸経費を差し引いた利益を、不動産の購入にかかった金額で割った値です。

今回のケースでは、実質利回りは以下のようになります。

  • (年間の家賃収入360万円-年間の諸経費90万円)÷(物件価格4,500万円+購入時の諸経費450万円)× 100=約5.45%

実質利回りの計算では購入時および年間の諸経費を含めるため、表面利回りに比べて現実的な利回りを算出できます。ただし、実際にマンションを購入および賃貸経営を開始するまで、購入時の諸経費や年間コストはわからないため、あくまで目安として考えるとよいでしょう。

5000万円でマンション一棟買いするときの注意点

エリアや築年数などの条件を調整すれば、5,000万円という予算でもマンション一棟買いは可能です。

ただし、不動産経営は物件を購入して終わりではありません。購入した一棟マンションで高い入居率を維持し、十分な家賃収入を獲得しなければ赤字経営となってしまいます。賃貸経営を長く続けるには、賃貸物件としての将来性も考慮して購入するマンションを選ぶ必要があるのです。

エリアの賃貸需要を確認する

マンション一棟買いをする前に、エリアの賃貸需要を必ず確認しましょう。

条件が魅力的な物件だったとしても、賃貸需要がなければ高い入居率は維持できません。物件価格が安価の場合でも、改修に多大な時間と費用を要する可能性がありますし、そもそも赤字続きで回収できないことも考えられます。

賃貸需要の推測に役立つ指標は以下の3つです。

主な指標 特徴
家賃指数 ・総務省の「消費者物価指数」に存在する指標の1つ
・家賃指数の上昇が続くエリアは賃貸需要が期待できる
空室率 ・総務省の「住宅・土地統計調査」で確認できる指標
・空室率が高いエリアは賃貸需要が低く、賃貸物件が余っている可能性がある
人口動向 ・人口が減少傾向にあるエリアは、将来的に賃貸需要が縮小する可能性がある
・人口が安定もしくは増加傾向にあるエリアは、長期的に賃貸需要が増える見込みがある

ちなみに、「消費者物価指数(CPI)」は、家賃を含む生活コストの変動を示す指標で、エリア全体の家賃動向を把握する際に活用されています。「住宅・土地統計調査」は、空き家率や住宅の利用状況をまとめた統計で、賃貸需要の多さを判断する目安になります。

賃貸需要は、立地条件や物件の築年数・間取りなどによっても左右されるため、複数エリアで情報を集めたうえで購入する物件を検討しましょう。

大規模修繕の実施年数を確認する

賃貸経営で赤字のリスクを抑えるためには、大規模修繕の実施年数を確認する必要があります。

前述したように、築年数が経過したマンションは老朽化が進んでいるケースが多いためです。老朽化の程度によっては、マンション購入後すぐに大規模修繕が必要になり、高額の支出が生じるおそれがあります。

大規模修繕工事の周期は12年〜15年程度が目安といわれています。最後に大規模修繕が行われたのが10年以上前の場合、一棟買いをした後すぐに大規模修繕が必要になる可能性があるのです。

自己資金に余裕を持たせる

5,000万円規模の一棟投資では、不動産投資ローンを利用するのが一般的です。不動産投資ローンの頭金は物件価格の20%が目安といわれていますが、「自己資金が20%で良い」という意味ではありません。

不動産投資では、できるだけ自己資金に余裕をもたせておくことが大切です。購入時に発生する諸経費は、原則として自己資金から支払う必要があります。さらに、売買契約時に支払う手付金についても、現金で用意しなければなりません。

5,000万円規模の投資額では、金融機関は借入を行う人の自己資金額を重視するでしょう。資金に余裕をもたせておくことで、融資審査に通過しやすくなるだけでなく、金利や返済期間などの条件面で有利になるメリットもあります。

マンション一棟で投資を行う場合は、頭金の割合だけで考えるのではなく、想定外の出費にも対応できるように準備しておくことが重要です。

この記事を書いた人

著者写真 TERAKO編集部
小田急不動産
鳥塚 正人

難解なイメージのある投資不動産の取引について、『わかりやすく』お伝えすることにこだわってます。不動産投資は、それぞれ置かれている状況、ご事情やご希望条件によりゴールへの道筋が異なります。皆様にとって最適な道標を描くヒントとなれるような情報発信を心がけます。 著者の記事一覧はコチラ
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