不動産投資
2025.10.30

マンション経営の初期費用を解説|費用が変わる要因とコストを抑えるコツとは?

マンション経営の初期費用を解説|費用が変わる要因とコストを抑えるコツとは?

マンション経営を始める際は、物件の購入費用だけでなく、税金や仲介手数料などさまざまな初期費用が発生します。予想以上に費用がかさみ、資金計画が崩れてしまうケースも少なくありません。

必要な費用の内訳を理解し、コストを抑える工夫を知ることが、安定したマンション経営への第一歩です。初期費用の内訳や変動する理由、費用を抑えるポイントをわかりやすく解説します。

この記事の目次

マンション経営の初期費用の内訳

前提として、中古マンションを購入してマンション経営を始める場合の初期費用は、マンションの購入価格とそれ以外の費用に分けられます。

「それ以外の費用」の目安は物件価格の1割程度ですが、初期費用の内訳について詳しく見ていきましょう。

マンションの購入費用

初期費用の大部分を占めるのがマンションの購入費用、すなわち物件価格です。物件価格は数千万円から数億円まで幅広く、立地、構造、築年数などさまざまな要因によって大きく変わります。

印紙税

印紙税は、印紙税法により紙の文書を作成した場合に納付が必要になる税金です。作成した文書に収入印紙を貼付することで納付したとみなされます。

マンション購入時に作成する売買契約書も印紙税の課税対象です。印紙税の額は契約書に記載された契約金額ごとに以下のように定められています。

記載された金額 原則 売買契約書が平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される場合
(印紙税の軽減措置が適用される)
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
以降省略

出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

契約金額に応じて税額が上がる仕組みのため、物件価格が高額なほど印紙税も高額になるのが特徴です。令和9年3月までは軽減措置が利用できるため、節税効果が期待できます。

登録免許税

登録免許税とは所有権の登録や移転などの申請に際して課せられる税金です。中古マンションの購入時に必要となるのは、土地および建物の所有権移転登記です。

所有権移転登記は、不動産売買により所有権が別の第三者に移った場合に行い、固定資産税評価(不動産の価額)に2.0%を乗じた額が税額となります。

ただし、令和8年3月31日までの間に登記を行う場合は、土地の所有権移転登記にかかる登録免許税は軽減税率1.5%が適用されます。

参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表

不動産取得税

不動産取得税は不動産の取得時に課せられる地方税です。不動産が所在する都道府県に申告して納付します。申告をしなくても不動産の取得後に納税通知書が送付されるので、そちらで納付することも可能です。

不動産取得税は固定資産税評価額にもとづいて計算されます。2025年時点の税率は以下の通りです。

  • 土地:3%
  • 住宅用の家屋:3%
  • 住宅用でない家屋:4%

出典:総務省|地方税制度|不動産取得税

不動産経営で取得するマンションは「住宅用でない家屋」に該当するため、基本的に税率4%が適用されます。

仲介手数料

仲介手数料とは、不動産売買の仲介を行なった不動産会社に支払う報酬です。ただし、売買が成立しなければ支払う必要はありません。

仲介手数料は法律で以下のように上限が定められています。

売買価格 料率
200万円以下の部分 5.5%
200万円超400万円以下の部分 4.4%
400万円超の部分 3.3%

出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ-売買取引の仲介手数料の上限額

売買価格が400万円超の場合、以下の式で計算が可能です。

  • 仲介手数料の上限額=売買価格 × 3%+6万円+消費税

たとえば、マンションを5,000万円で購入した場合、仲介手数料の上限は税抜で5,000万円 × 3%+ 6万円=156万円です。消費税は15万6,000円のため、税込の上限額は171万6,000円となります。

投資用ローンの事務手数料・保証料

マンション購入に際して投資用ローンを利用する場合、ローンの事務手数料や保証料の支払いも必要です。

賃貸経営では一般的な住宅ローンは利用できないため、投資用ローンで契約することになります。ローンの手数料の目安は借入金額の1.0〜3.0%程度です。保証料は2%前後が目安ですが、不要としているところもあるため、条件に合った金融機関を探すとよいでしょう。

保険料

マンション購入時に発生する主な保険料として以下の3つが挙げられます。

  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 施設賠償責任保険料

保険料はマンションの規模や補償範囲、特約内容によって異なるため、明確な相場が存在しません。複数の保険を比較し、補償内容と費用のバランスを考慮して保険を選びましょう。

管理費・修繕積立金

管理費や修繕積立金は毎月発生するランニングコストの1つです。

購入するのが新築マンションの場合は修繕積立金や管理費などの一時金が必要になることがある一方、中古マンションでは前オーナーが支払い済みのため不要なケースがあります。

マンション経営の初期費用が変動する要因

マンション経営の初期費用はさまざまな要因によって変動します。この章ではマンションの種類と取得方法別に変動する理由について解説します。

新築マンションを購入した場合

購入するのが新築マンションの場合、所有権の登記がないため「所有権移転登記」ではなく、「所有権保存登記」となります。

所有権保存登記の税率は0.4%と、所有権移転登記よりも低く設定されています。そのため、物件価格が同じ場合は中古マンションよりも新築マンションの方が登録免許税は安価になるのです。

その他の変動要因として以下の例が挙げられます。

  • マンションの取得方法
    ※新築の場合は建築と購入の2パターンがありますが、建築の方が高額になる傾向です
  • マンションの規模
  • 入居者募集にかかる期間
    ※期間の長さによって入居者募集費用の総額が変動します

中古マンションを購入した場合

中古マンションならではの変動要因として、入居者募集が必要か否かが挙げられます。

入居者がいる状態のマンションを購入する場合、入居者の募集費用は発生しません。反対に入居者募集が必要であれば、広告費をはじめとした手数料が必要になります。

不動産会社などに依頼せずに自分で入居者募集をすることもできますが、プロに相談したほうが空室率は改善しやすいでしょう。

相続でマンションを経営する場合

相続により不動産を取得した場合の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。中古マンションであっても、購入した場合よりも税率が低く設定されています。

不動産取得税は原則不要ですが、相続によって取得する不動産は相続税の課税対象です。マンション経営の直接的な初期費用ではありませんが、相続税は高額になりやすいため注意する必要があります。

マンション経営の初期費用を抑えるポイント

マンション経営の初期費用は、物件価格を含めると数千万円超と非常に高額です。マンション経営の負担を少しでも軽くするためには、初期費用を抑えるための対策をするべきでしょう。

最後にマンション経営の初期費用を抑えるためのポイントを紹介します。

【新築の場合】建物の建築費を抑える

マンションを購入して取得する場合、物件価格を安くすることは難しいでしょう。値引き交渉は禁止されていないものの、大幅な値引きに応じてもらえる可能性は低いといえます。

一方で新築マンションの場合、以下のように建築費を下げる手段が複数存在します。

  • 建材のグレードを下げる
  • 設備のグレードを下げる
  • 共用設備を簡素化する
  • 部屋の戸数を少なくする

ただし、建築費を安く抑えるほどマンションの資産価値は下がり、魅力が薄れるおそれがあります。費用を安く抑える工夫をしつつも、エリアの需要に合わせることが大切です。

頭金を多めに支払うようにする

マンションの物件価格は、立地によって数千万円から数億円かかることも珍しくありません。すべてを自己資金でまかなうのは難しいため、投資用ローンを組むのが一般的です。

ローンの事務手数料・保証料は借入総額に対して一定割合を乗じて計算します。そのため、頭金を多く支払って借入総額を減らすことで、ローン契約時に支払う手数料や保証料を抑えられるのです。

また、頭金が多いほど金融機関の高評価を得やすく、低めの利息が適用される可能性もあるでしょう。

なお、マンション経営の自己資金の目安は、物件価格の1〜3割程度といわれています。初期費用を抑えるという目的を考えると、最低でも2割以上は用意するのが理想です。

マンション特化した不動産会社を選ぶ

物件探しや仲介を依頼する業者として、投資用マンションに特化した不動産会社を選ぶことをおすすめします。

マンションに特化した不動産会社はそうでない業者に比べ、マンションの取扱件数が豊富です。マンションの選択肢が多いため、希望条件と予算の両方に合う物件を紹介してもらえる可能性が高いのです。

そのため、初期費用を抑えつつも条件の良いマンションを購入できるでしょう。

また、投資用マンションに特化している業者は売り手との仲介だけでなく、物件選びや賃貸経営に関する相談もできます。マンション経営に関する疑問や不安を確実に解消するためにも、不動産会社は信頼できるところを選ぶことが大切です。

この記事を書いた人

著者写真 TERAKO編集部
小田急不動産
二本松 敏

小田急グループの総合力を活かしながら、これまで幅広く不動産実務を経験して参りました。現在は、本社営業センターの責任者を務めております。私たちの発信が人生100年時代の選択肢を広げるきっかけになれれば大変うれしく思います。 著者の記事一覧はコチラ
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