不動産投資
2024.07.31

古いアパートをリノベーション。空室対策に有効なリノベーション箇所や費用目安について解説

古いアパートをリノベーション。空室対策に有効なリノベーション箇所や費用目安について解説

古いアパートは適切にリノベーションすれば、空室対策になるほか家賃を上げられる可能性もあります。

古いアパートをリノベーションするメリットや、検討すべき工事箇所、費用目安などについて解説します。

この記事の目次

古いアパートをリノベーションするメリット

古いアパートをリノベーションすると、以下に挙げたようなさまざまなメリットがあります。

  • 空室対策になる
  • 家賃を上げられる
  • 建て替えよりもコストを抑えられる

空室対策になる

古いアパートのリノベーションは、空室対策につながります。築年数が経過したアパートは劣化しており見た目の印象が良くなく、入居希望者が見つかりにくい傾向です。清潔感のある外装や内装にリノベーションすれば、新築のような印象を与えられます。入居希望者は特に水回りの見た目や機能性の良さを重視する傾向にあるため、リノベーションを検討してみてもよいでしょう。

ただし、リノベーションに力を入れ過ぎないように注意しましょう。リノベーションには費用がかかるので、やり過ぎると周辺のアパートよりも家賃が高くなってしまい、入居が決まらない可能性もあります。リノベーションを行う際は、周辺の類似した賃貸物件を調査したうえで予算と家賃の目安を決め、具体的な工事内容を決めてください。

家賃を上げられる

古いアパートをリノベーションすれば、見た目や機能性などが改善されるため家賃を上げられます。近年はデザイン性や設備の充実度合いなどを重視する人が増えているので、需要に合ったリノベーションを行えば、家賃をある程度上げても入居希望者が見つかる可能性が高いです。

建て替えよりもコストを抑えられる

古いアパートのリノベーションは、建て替えよりもコストを抑えられるのがメリットの一つです。それぞれにかかるコストはアパートの状態や床面積などによって異なるものの、建て替える場合、5,000万円以上かかることが一般的です。費用目安の詳細については後述しますが、リノベーションであれば建て替えの50〜70%ほどコストを抑えられる可能性があります。

古いアパートでリノベーションを検討すべき箇所・工事内容

すべての箇所をリノベーションする必要はなく、アパートの中でも特にリノベーションを検討すべき箇所があります。ここからは、古いアパートでリノベーションを検討すべき箇所や工事内容について詳しく見ていきましょう。

デザイン・テイスト

古いアパートをリノベーションするときは、デザインやテイストの変更を検討してみてください。シンプルかつターゲット層に合ったデザイン・テイストに変更すると、入居率アップが見込めます。

水回り

水回りのリノベーションを検討するのもよいでしょう。たとえば、トイレであれば温水洗浄便座を付けたり、ユニットバスではなくバストイレ別にしたりすることで、入居希望者の第一印象が良くなる可能性があります。

また古くなった配管設備をそのまま放置していると、排水の臭いや水漏れなどにつながります。リノベーションをする際は見た目や性能だけでなく、トラブル防止の観点から改修することを考えましょう。

収納

古いアパートのリノベーションでは、収納部分を見直すことも大切です。入居希望者の多くは収納力がある物件を求めています。広い収納スペースを確保できなくても、デッドスペースを収納に変更するだけで物件のアピールポイントになるでしょう。

共用部

専有部だけではなく、共有部のリノベーションを検討することも大切です。いくら室内がきれいでもアパート自体の劣化が激しかったり、機能面が衰えていたりすると入居率の向上は期待できません。入居希望者が「ここに住みたい」と思えるような外装や性能にすると、空室を減らせるでしょう。

たとえば、共有部の廊下が薄暗い場合は照明の位置を工夫したり、壁やドアを明るい色に塗装し直したりするのも一つの方法です。

リノベーションの費用目安

リノベーションを検討しているものの、どのくらい費用がかかるのか知りたい人も多いのではないでしょうか。ここからは、リノベーションの費用目安を紹介します。

リノベーションをする箇所 リノベーションの費用目安
壁紙や床材の張り替え 20万~40万円
キッチン(セパレートタイプ) 15万~30万円
キッチン(システムキッチン) 30万~100万円
トイレ 10万~40万円
洗面所 20万~100万円
浴室 50万~200万円
外壁(2階建て) 150万~300万円
外壁(3階建て) 200万~400万円

なお、リノベーション費用はアパートの状態や規模、工事内容などによって異なるため、あくまで目安としてお考えください。詳細を知りたい場合は、リノベーションを依頼する事業者に見積もりを依頼しましょう。

リノベーションの費用を抑えるポイント

リノベーション費用は先述したとおり、一カ所当たり数十万円以上かかるケースが多いです。ここからはリノベーションをする際に、なるべく費用を抑えるポイントについて紹介します。

工事を依頼する事業者を比較検討する

リノベーション費用は事業者によって異なるため、複数の事業者に見積もりを依頼して比較検討したうえで工事を依頼しましょう。リノベーションを請け負ってくれる事業者は設計事務所や工務店、リノベーション会社などさまざまです。

それぞれの事業者によって強みや対応範囲などが異なり、費用面にも大きな差が生じます。そのため、リノベーションを依頼する際は複数の事業者に見積もりを作成してもらい、費用や工事内容に納得できたら契約してください。

素材や設備を比較検討する

リノベーション前には、使う素材や設備を比較検討することも大切です。よい素材や設備を使用すれば、満足度の高いリノベーションができるかもしれません。しかしその結果、費用がかさんでしまい、家賃を相場よりも上げなければならなくなると入居率の向上が見込めず、マイナスになってしまう恐れもあります。

予算などを考慮したうえで使用する素材や設備を決めると、費用対効果の高いリノベーションを行えます。詳細については、リノベーションを依頼する事業者とすり合わせるようにしましょう。

可能な範囲はDIYをする

リノベーション費用を抑えたい場合は、できる範囲でDIYをするのも一つです。壁紙や床材の張り替えなどであれば自分でリノベーションできる可能性があり、事業者に依頼するよりもコストを抑えられます。

しかし、自分でDIYすると時間や労力がかかるうえに、事業者に依頼したときほどきれいな見た目には仕上がらないことを認識しておきましょう。

補助金を活用する

古いアパートをリノベーションする場合、国や自治体が助成する補助金を活用できる可能性があります。たとえば、アパートのリノベーションによって住宅の長寿命化が期待できる場合は、「長期優良住宅化リフォーム」の補助金を活用できるかもしれません(※)。

補助金を活用するとリノベーションにかかる費用負担を軽減できるため、コストを抑えながら入居率の向上が見込めます。補助金を活用するには、国や自治体が定めた条件を満たす必要があるので、事前に詳細を確認しておきましょう。

※出典:令和5年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業.「公募概要【事前採択タイプ(安心R住宅)】」

リノベーション費用を捻出できない場合は売却も検討しよう

古いアパートを所有しており、リノベーション費用を捻出できない場合は売却を視野に入れるのも一つです。特に現代の日本は少子高齢化の影響によって、住宅の価格下落が予想されています。古いアパートは築年数が経過していることから、そのまま放置するよりも少しでも高値で売却できるタイミングで手放すのがおすすめです。売却を検討する際には、不動産会社に相談・査定依頼を行ってください。

この記事を書いた人

著者写真 TERAKO編集部
小田急不動産
鈴木 和典

小田急グループの総合力を活かしながら、これまで幅広く不動産実務を経験して参りました。現在は、本社営業センターの責任者を務めております。私たちの発信が人生100年時代の選択肢を広げるきっかけになれれば大変うれしく思います。 著者の記事一覧はコチラ
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