アパート経営のリスク7選!失敗してしまったときの対策とは?
アパート経営には、さまざまなリスクが付きものです。経営で失敗してしまうと、家賃収入が得られずにローンを返済できなくなる恐れがあるのです。最悪の場合、自己破産する可能性もあります。
アパート経営で起こり得るリスクや、失敗してしまったときの対策を紹介します。
この記事の目次
アパート経営の主なリスク7選
アパート経営をするうえで想定されるリスクは、主に以下の7つです。詳細について解説していきます。
- 空室リスク
- 家賃の下落リスク
- 災害リスク
- サブリースの失敗リスク
- 入居者トラブルのリスク
- 資産価値の低下リスク
- 金利の上昇リスク
1. 空室リスク
アパート経営をするうえで、空室はできる限り避けたいリスクです。アパート経営は入居者からの家賃収入で成り立っているため、空室が増えるほど収入が下がるからです。新しい入居者が決まらない状態が続くと、アパート購入時に借り入れたローンを返済できなくなる可能性があります。家賃を下げてでも入居者を確保しなければならない状態になれば、その分利益も下がりやすいでしょう。
2. 家賃の下落リスク
アパート経営をしていると、以下のような理由によって家賃が下がるリスクがあります。
- 空室の増加
- アパートの老朽化
- 周辺地域における物件の増加
総務省統計局の発表によると、時間が経つにつれて家賃が下がる傾向にあるのは、借主が築浅の物件を好むことや人口の減少なども影響しているといわれています(※)。
特に築年数が経過したアパートを経営していると、周辺の物件と差別化を図るのが難しくなり、入居者を確保するために家賃を下げる判断をする人も多いです。その結果、アパート経営における収益が減少し、経営を続けるのが困難になる場合もあるでしょう。
※参考:総務省統計局物価統計室「借家家賃の経年変化について」
3. 災害リスク
アパートの経営者にとって、災害によるリスクも見逃せません。地震大国でもある日本は、どこに住んでも地震を避けることはできません。また、毎年多くの台風が通過するため、水害も予想されるほか、さまざまな災害が起こりやすいです。災害によって突発的に建物の修繕が必要になったり、建て替えなければならなかったりして、多くの費用が必要となることもあるでしょう。修繕や建て替えの間に入居者に退去してもらう場合は、その期間家賃収入も途絶えます。
4. サブリースの失敗リスク
アパート経営において、サブリースへの理解は必要です。サブリースとは、サブリース会社が物件を借り上げて経営を代行する契約形態のことです。アパートを貸し出す貸主は入居者数に関係なく安定的な収入が見込めるメリットがあります。
しかしサブリース契約をする際には契約の内容をよく理解していなければ、リスクを負う可能性があることを認識しておきましょう。たとえば、敷金や礼金、更新料はサブリース会社の取り分になることが一般的です。
収入に含まれると勘違いしていると、トラブルの要因になります。また、サブリースの中には長期保証をうたっている契約もありますが、実際は2年ごとに最低保証賃料を見直すサブリース会社がほとんどです。そのため、アパートの貸主が得られる収益も減少する可能性があります。
これらの内容を理解していないとトラブルに発展しやすいので、事前にサブリースの仕組みや契約内容を確認しましょう。
5. 入居者トラブルリスク
アパート経営をしていると、以下のような入居者との問題やトラブルが起こる可能性があります。
- 家賃の滞納
- 規約違反
- 事故の発生
- 契約人以外との同居
- 夜逃げ
慢性的に家賃を滞納する入居者の中には、注意や警告だけでは支払ってくれない人もいます。最悪の場合、夜逃げされてしまう可能性もゼロではありません。法的手段を取ったとしても、精神的に大きな負担となるでしょう。
また規約違反を繰り返す入居者がいると、アパート全体に悪影響を及ぼして退去者が出たり、新たな入居者が見つかりにくくなったりするので、対策を講じる必要があります。
6. 資産価値の低下リスク
アパートは、資産価値が下がるリスクがあることを認識しておきましょう。たとえば、アパートを購入したときよりも、地域の人口が減少したり周辺の施設が移転したりすると、アパート周辺の地価が下がることがあります。その結果、アパートの資産価値も低下し、入居希望者を見つけにくくなるでしょう。
7. 金利の上昇リスク
アパート経営には、金利の上昇リスクもあります。アパートを購入する際に変動金利でローンを組んでいると、金利が上昇するごとにローンの返済額も高くなってしまいます。家賃収入には金利による変動はないため、家賃収入よりも支出であるローンの返済額のほうが上回ってしまう可能性があるのです。
アパート経営で失敗してしまったときの対策
アパート経営で万が一失敗してしまったときは、早急に対策を講じましょう。ここからはアパート経営で失敗してしまったときの対策として、以下の5つを紹介します。
- 収支計画を見直す
- 空室対策をする
- 競合のアパートとの差別化をする
- 管理会社を変更する
- アパートを売却する
収支計画を見直す
アパート経営に失敗したときは、収支計画を見直しましょう。アパート経営で大切なのは「どの程度の家賃収入が見込めるか」「どの程度の経費がかかるのか」を把握することです。アパート経営でかかる経費は、具体的には以下のようなものがあります。
- 管理費・修繕費
- 火災保険・地震保険
- 固定資産税をはじめとする各種税金
アパート経営に失敗したときは収支をうまく管理できていない可能性があるため、現在の状況に沿って経費を見直さなければなりません。火災保険や地震保険を変更したり、アパートの修繕費用を抑えてくれる管理会社に変更したりするのも一つの方法です。
空室対策をする
アパート経営に失敗した場合は、空室対策を実施しましょう。空室が多いほど家賃収入が減少するため、少しでも入居率を高める方法を検討してください。たとえば、ペット不可であった条件を「相談可」へと変更したり、設備機器を新しいものに変更したりするのも有効でしょう。
経営しているアパートの状況を把握したうえで、なぜ空室が多いのか仮説を立ててから対策を講じるのがおすすめです。
競合のアパートとの差別化をする
アパート経営を成功させるために、競合のアパートと差別化するのも一つの方法です。周囲のアパートとの違いが明らかになれば、それがアパートの強みにもつながります。たとえば、「リフォームしてもよい」という条件にすれば、築年数が古くともDIYをしたい人に向けてアピールしやすいでしょう。「こんなアパートに住んでみたい」と思ってもらえるような差別化ができれば、次の入居者が決まりやすくなるはずです。
管理会社を変更する
アパート経営がうまくいっていないときは、管理会社を変更するのもよいでしょう。アパート経営を成功させるためには、信頼できる管理会社の存在が欠かせません。
空室が数カ月続いている、アパートの管理が行き届いていない、入居者からのクレームが改善されないといった場合は管理会社の変更を検討してみてください。アパートの管理をしっかりと行ってくれる管理会社に変更することで、空室率が改善する可能性もあります。
アパートを売却する
アパート経営に失敗したときは、アパートそのものを売却するのも選択肢の一つです。アパート経営に失敗するとなかなかよい結果が生まれず、入居率を上げられないケースも珍しくありません。どうしてもうまくいかない場合は、アパートを一度売却して、自己資金を蓄えるのもよいでしょう。
売却を検討する際には、複数の不動産会社に査定を依頼して、なるべく高値かつ自身の要望に沿って売却できる不動産会社を選ぶのがおすすめです。
この記事を書いた人
TERAKO編集部
小田急不動産
鳥塚 正人
Other Articles その他の記事を見る
一覧はコチラ本コラムに関する注意事項
本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。本コラムは、その正確性や確実性を保証するものではありません。その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。いかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。