不動産投資
2024.06.28

アパート経営が失敗しやすいトラブルとは?今からできる対処方法を解説

アパート経営が失敗しやすいトラブルとは?今からできる対処方法を解説

アパート経営は、入居者がいれば長期的に安定して収入を得られます。ただしさまざまなリスクもあるので、あらかじめ想定されるトラブルや対処法をきちんと理解しておくことが大切です。

アパート経営が失敗しやすいトラブルとその対処法を紹介します。

この記事の目次

アパート経営でよくあるトラブル5選

アパート経営を行っていると、以下のようなトラブルが起こり得ます。

  • 入居者とのトラブル
  • 契約解除や立ち退き時のトラブル
  • 空室が長引くトラブル
  • 借入金過剰によるトラブル
  • サブリースにまつわるトラブル

これらのトラブルは放置していると、アパート経営が破綻しかねないので早めに対処しましょう。

 入居者とのトラブル

アパート経営をしていると、入居者との間で以下のようなトラブルが起こる可能性があります。

  • 家賃を滞納する
  • アパートの規則を守らない(ごみ出しの曜日を守らない、共有スペースで喫煙をするなど)
  • 異臭や騒音の苦情が多発する
  • 勝手に入居人数が増えている
  • 入居者に夜逃げされる

アパートの規則を守らない人がいるとほかの入居者からクレームが度々入り、対応に追われてしまいがちです。改善されない状態が続くと退去者が出たり、新しい入居者が見つからなかったりするため、早めに対処する必要があります。

また、家賃を滞納している入居者が夜逃げしてしまうケースも想定されます。ガスや水道のメーターが止まっている入居者や郵便受けに郵便物がたまっている入居者を見かけたら、積極的にコミュニケーションを図り状況を把握することが重要です。

もし呼びかけにも応じず事件性が高いと判断した場合は、オーナーが勝手に室内へ入ることはできないので、契約者やその家族などに連絡を取ったり、警察に同行してもらったりしてください。

契約解除や立ち退き時のトラブル

アパート経営をしていると、契約解除や立ち退き時のトラブルも起こります。通常、部屋を貸し出す際は、普通借家契約を結ぶのが一般的です。普通借家契約とは契約期間を2年に設定し、契約満了日を迎えても入居者が希望すれば更新できる契約形態を指します。オーナーにとっても、2年ごとに入居者を探す手間が省け、定期的な収入を確保できるのでメリットが大きいです。

ただし、普通借家契約は入居者有利の契約形態であるため、オーナーが一方的に契約を解除することは基本的にできません。普通借家契約を結んだ入居者に対して契約解除の申し出を行いたいときは、立ち退かせるための正当な理由(正当事由)と立ち退き料が必要です。正当事由には「建物に問題がある」「入居者が規約違反を繰り返し行う」などが該当します。立ち退き料は、引っ越し代などを加味した金額で、家賃の3カ月~12カ月分が相場といわれています。

トラブルを起こさずに立ち退きを進めるには、弁護士など専門家の力を借りるのも方法の一つです。

 空室が長引くトラブル

アパート経営は空室が長引くと、家賃収入が減少してローン返済などの計画に悪影響を及ぼすおそれがあります。空室が起こる要因はさまざま考えられ、具体的な例は以下のとおりです。

  • 立地が悪い
  • アパートの老朽化が進んでいる
  • 住民トラブルが多発している

アパート経営は、ただアパートを購入して貸し出せば成功するものではありません。たとえばオーナー自身が立地への理解が低く、条件の悪いアパートを購入していると、なかなか入居者は獲得できないでしょう。

駅から遠かったりスーパーや病院などの日常生活に欠かせない施設が周辺になかったりすると、入居者が見つからない可能性も高まります。また、コンビニが潰れる・大学のキャンパスが移転するなどの周辺環境が変化したことによって、今まであった需要が見込めなくなることも考えられます。

老朽化によってアパートの価値が減少すると、家賃を引き下げなければ退去者が出たり空室が埋まりにくくなったりします。老朽化が進むと管理費や維持費に費用がかかり、出費が増えやすいです。その上、空室が長引いてしまうと家賃収入が見込めないため、経営破綻に陥りやすくなります。

 借入金過剰によるトラブル

アパート経営においては、借入金過剰によるトラブルも予想されます。アパート経営を始める際、金融機関からアパートの購入資金を借り入れるのが一般的です。借入金が多くなると毎月の返済に苦労するだけではなく、空室率の増加や設備のトラブルなどが起こったときに対応できるだけの資金を用意できません。その結果、経営自体が困難となる可能性は十分にあります。

またアパート経営を行っていると、固定資産税や管理費といったランニングコストが発生します。総額にすると家賃収入の1割程度の支出が発生するため、ローンを組む際はあらゆるリスクを想定した上で、借入金の額をアパート経営を圧迫しすぎない範囲にとどめることが重要です。

 サブリースにまつわるトラブル

アパート経営を行う際、サブリースを検討する人も多いでしょう。サブリースとは、サブリース会社がアパートを借り上げて入居者の募集から家賃の回収まで運営を代行する仕組みです。オーナーは毎月契約で決まった額を家賃収入として受け取れます。サブリースを活用すれば手数料分の収入は減るものの、面倒な管理業務を任せられるため、経験がなくてもアパート経営にチャレンジしやすいです。

しかし、サブリースは当初定められた金額が変わらずにもらえ続けるとは限りません。サブリース契約の多くは、数年ごとに最低保証賃料の見直しを行う旨が記載されています。そのため、契約当初は「35年間の家賃保証」とうたっていても、2~3年ごとに減額請求されて想定していた家賃収入が得られずローン返済が苦しくなるケースもあります。

ほかにも原状回復の費用がオーナー負担だったり、サブリース会社が経営破綻したりして、家賃の振り込みが滞ってしまうといったリスクも考えられます。サブリースを利用する際は、契約内容やメリット・デメリットをよく理解し、信頼できる不動産会社に依頼するのがおすすめです。

アパート経営でトラブルが起きたらどうする?3つの対処方法

アパート経営でトラブルが起きた場合の対処法はいくつかありますが、ここではすぐに実践できる3つの方法を紹介します。

張り紙などで周知する

トラブルが起きた場合は、張り紙などを活用して入居者全員に周知しましょう。トラブルを当事者間で解決するのはもちろん重要ですが、同じトラブルを繰り返さないためにも、入居者全員にトラブルの概要や注意点を知らせて共通認識を持つことが大切です。

たとえばごみ出しの曜日を守らない入居者がいる場合は、アパートの共有部分にごみ出し可能な曜日を記載した張り紙を張っておきましょう。すると「ごみ出しの曜日を知らなかった」「いつ出してもいいと思っていた」といったトラブルの要因を解消できます。

管理会社のサポートを受ける

トラブルが起きたときは、管理会社のサポートを受けるのも一つです。管理会社はアパート経営に関するノウハウや経験を豊富に持っているため、トラブルのサポートも引き受けてくれます。

また、管理会社は設備や修繕のトラブルにも対応してくれるため、アパートや設備の老朽化が気になるときは相談するのもよいでしょう。プロの視点から見たアドバイスをもらえるため、アパート経営のノウハウとして生かしていけるはずです。トラブルをはじめ、困ったことがあれば管理会社に相談してみましょう。

トラブルの多いアパートは手放すのも方法の一つ

トラブルの多いアパートは、手放すことを考えてみるのも方法の一つです。問題の多いアパートは新規の入居者が決まりにくいため、家賃収入が長期間見込めない可能性があります。そこにアパートの老朽化問題や借入金過剰トラブルなども加わると、自身では対処できない場合もあるでしょう。

既存のアパートを一度手放して自己資金を蓄え、その後改めて別のアパートを購入することも可能です。一つのアパートにこだわるのではなく、柔軟な考えを持ちながらアパートを経営してください。

この記事を書いた人

著者写真 TERAKO編集部
小田急不動産
飯野一久

「一期一会」がモットーです。これまでの投資不動産の売却・購入・資産の入れ替えの実務を通じて得られた知見を、少しでも、皆様に、わかりやく、丁寧にお伝え出来たらと思っております。 著者の記事一覧はコチラ
お問い合わせ

メモアイコン Other Articles その他の記事を見る

一覧はコチラ
不動産投資の拡大戦略が必要なタイミングは?やってはいけない注意点も紹介
不動産投資 2024.09.30
不動産投資の拡大戦略が必要なタイミングは?やってはいけない注意点も紹介

TERAKO編集部 小田急不動産 鳥塚 正人

不動産投資で2棟目の融資は受けられる?融資審査に通るポイントを解説
不動産投資 2024.09.30
不動産投資で2棟目の融資は受けられる?融資審査に通るポイントを解説

TERAKO編集部 小田急不動産 飯野一久

不動産投資で買い増しのタイミングを見極めるポイント。投資を拡大するメリット
不動産投資 2024.09.30
不動産投資で買い増しのタイミングを見極めるポイント。投資を拡大するメリット

TERAKO編集部 小田急不動産 鈴木 和典

本コラムに関する注意事項

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。本コラムは、その正確性や確実性を保証するものではありません。その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。いかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。