不動産投資
2024.04.30

一棟マンション売却のタイミングや流れが知りたい!失敗を防ぐ方法も解説

一棟マンション売却のタイミングや流れが知りたい!失敗を防ぐ方法も解説

一棟マンションの売却は、マンションの部屋単位の売却と異なり、慎重に行う必要があります。特に大きな投資となるため、最適な売却のタイミングを理解し、計画的に進めることが重要です。

一棟マンション売却におすすめのタイミングと、売却プロセスや高く売るコツについて詳しく解説します。

この記事の目次

今は、一棟マンション売却におすすめのタイミング?

一棟マンションの売却は、そのタイミングが非常に重要です。市場の状況や物件の状態、個人の状況によって最適な売却時期が大きく異なるため、慎重な判断が求められます。ここでは、一棟マンションを売却するためのおすすめタイミングとその判断基準について詳しく解説します。

ちなみに、共同住宅にはアパート以外にマンションがありますが、建物の構造によって使い分けられることが一般的です。アパートは木造や軽量鉄骨造の低層建築物を指すことが多く、マンションは、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で3階以上の高さがある建物を指すことが多いです。

不動産価格が上昇しているとき

一棟マンションを売却する際、不動産市場の状況を見極めることが非常に重要です。特に、不動産価格が上昇している時期は、売却に適したタイミングとされます。

不動産価格が上昇している時期は、一般の購入希望者だけでなく、不動産投資家も積極的に市場に参入します。このような時期には、物件に対する需要が高まるため、高価格での売却が期待できる可能性があります。

不動産価格は、上昇する際には長期的に緩やかに上がり、下がるときにもゆっくりと下がっていく傾向にあります。現在価格が上昇している場合、近い将来さらに価値が上がることも予想されるため、売却を急ぐ必要はありませんが、市場の動向を注意深く観察することが大事です。

法定耐用年数を考慮して売却する

マンションは資産価値が年々下がります。その下がっていく価値を減価償却費として経費にできるため、節税効果が期待できます。

減価償却は法定耐用年数に基づいて計算されます。法定耐用年数は資産が経済的に利用可能と見込まれる期間を示し、経過すると資産価値は理論上ゼロとみなされます。

例として、建物価格が1億円のマンションを購入した場合を考えましょう。耐用年数が47年と設定されている場合、毎年の減価償却費は以下のように計算されます。

1億円 × 2.2%(定額法での減価償却率)= 220万円

この220万円が毎年の減価償却費として計上され、紙上での経費として利用できます。実際にはこの金額が手元に残るわけではありませんが、税務上の利益が相対的に減少するため、支払う税金の額も少なくなります。

法定耐用年数を過ぎると経費計上できません。耐用年数の終了前に売却を検討することが推奨されます。

一棟マンションの場合、以下のような耐用年数が設定されています。

建物別の耐用年数
建物の種類 構造や場所など 耐用年数
マンション・ビル 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋 47年
レンガ造、ブロック造・石造 38年
アパート・マンション 鉄骨造 34年
(軽量鉄骨は23年)
木造・木骨モルタル造
(アパートなど)
21年
昇降機 エレベーター・エスカレーター 17年
アーケード・日よけ 簡易の駐車場・駐輪場で雨風を避けるもの 金属製15年/その他8年
道路の舗装 共用部分のコンクリート・レンガ 15年
給排水・衛生設備 建物全体のガス・水道も含む 15年
電気設備全般 共用部分の照明・各室内の照明類を含む 15年
ガレージ・物置など 簡易建物に相当 10年
自動ドア関連機器 監視カメラ・インターホン・モニターほか 6年

オーナーが高齢で家族も経営するつもりがないとき

一棟マンションのオーナーが高齢で、かつ家族に経営の意志がない場合、オーナーの意志に基づく売却が最適なタイミングです。特に、資産整理や相続準備を目的としている場合、早めの決断が求められます。この状況での売却には以下のような背景が考えられます。

  • オーナーが自らの意志で活用計画を立てていない
  • 運営が困難で赤字が続いているため、持続が難しい
  • 資産を現金化し、ほかの投資や生活資金として活用したい

こうした場合、一棟マンションを売却しやすい環境にあるため、オーナー自身の判断で適切なタイミングでの売却が可能です。ただし、大きな資産の売却は複雑な手続きとなるため、専門的な知識が必要です。

周辺環境が変化したとき

一棟マンションの価格は、その立地や周辺環境の変化に密接に関連しています。特に「利便性」は入居者にとって重要な判断基準のため、周辺の環境改善は売却価格を向上させる可能性があります。

たとえば、現在は評価されていない地域でも、将来的に駅前開発が進んだり、大企業が移転してくる予定がある場合、そのエリアの不動産価値の大きな上昇が期待されます。長期的に見て立地条件が改善される見込みがある場合、マンションの価値が最高点に達するときを見計らって売却する計画を立てるのが賢明です。

一方で、周辺環境が悪化するリスクも考慮する必要があります。たとえば、エリア内の主要施設の移転により地域が衰退する可能性がある場合、不動産価値は徐々に下降します。この場合、まだ需要が残っているうちに売却を行い、投資リスクを低減させることが推奨されます。

アパートが築20年以内なら比較的高く売れる可能性がある

不動産の価格は、一般的に築年数が浅いほど高く評価される傾向にあります。これは一棟マンションも例外ではなく、「築年数が新しいほど良い」とされる市場の常識です。

公益財団法人「東日本不動産流通機構」の調査データによると、マンション価格は築年数が長くなるにつれて一般に下落しますが、築11年から20年の間では価格下落のペースが比較的緩やかになることが確認されています。この期間を過ぎると、価格の下落が再び加速するため、売却を考慮するならば築20年以内が推奨されます。

一棟マンション売却の流れ。高く売るための注意点

一棟マンションの売却は、計画的に進めることが成功の鍵です。一棟マンション売却の流れはほかの不動産と基本的には変わりませんが、売却対象が大規模であるため、時間と労力がより必要とされます。

一棟マンションを売却する流れは以下の通りです。

  1. 複数の会社に査定依頼
  2. 媒介契約を結ぶ
  3. 売却活動
  4. 売買契約の締結
  5. 引き渡し
  6. 確定申告

以下に、売却手順を詳しく解説し、高く売るための注意点もご紹介します。

複数の会社に査定依頼

一棟マンションを売却する際には、まず不動産会社に査定を依頼して、どれくらいの価格で売れるのかを把握しましょう。査定には主に「机上査定」と「訪問査定」という二つの方法があります。

最初に推奨されるのは、過去の取引データを基にして行われる机上査定です。この段階では、比較的短期間(1〜2日)で査定額が算出されます。

その後、具体的な物件の状況を確認するために現地を訪問し、訪問査定を行うのが一般的です。

訪問査定では、建物の実際の状況や周辺環境を細かく調べた上で、より正確な査定額が出されますが、このプロセスには1〜2週間程度要することがあります。

査定は一般的に無料で提供されており、複数の不動産会社への依頼が可能です。特に一棟マンションのような大規模な不動産においては、その取り扱いに長けた不動産会社を選ぶことが重要です。

また、売却を有利に進めるには、事前に市場の価格相場を自身でも把握しておくことが有益です。土地総合情報システムなどの公的資源を利用して、類似の物件の成約価格を調査することで、相場感をつかむことができます。

直接エンドユーザーへの売却が、最も高値で売る戦略となり得ますが、不動産会社を通じた買取も選択肢の一つとして考えられます。ただし、買取価格は市場価格の60%から80%程度となることが一般的ですので、その点を理解した上で検討しましょう。

媒介契約を結ぶ

一棟マンションの売却の手順を開始するにあたり、選定した不動産会社との間で媒介契約を結びます。この契約により正式に売却活動がスタートし、不動産会社が販売代理として動き出します。

媒介契約にはいくつかの種類がありますが、特に一棟マンションのような大型物件の場合、専任媒介契約を推奨します。専任媒介契約では、一定期間、契約した不動産会社のみが売却活動を行うことができるため、より集中的かつ専門的なサービスを受けることが可能です。

専任媒介契約のもう一つの利点は、不動産会社が積極的に販売活動を行うインセンティブが高いことです。これにより、一棟マンションが得意なエージェントが専門的な知識と経験を活かして、最適な買い手を見つけ出す助けとなります。

売却活動

売却活動が始まると、選定した不動産会社が市場に物件情報を公開し、買い手を探し始めます。一棟マンションの場合、その販売期間は通常、3カ月から6カ月程度と見込まれますが、物件の状態や市場状況によって大きく異なることがあります。

立地に問題があるなどで売却までの時間が長引く場合は、価格の調整が必要になる可能性もあります。不動産会社と密に連絡を取り合い、適切な戦略を練ることが重要です。

売買契約の締結

適切な買い手が見つかり、購入資金のローン承認が下りたら、売買契約を締結します。一棟マンションの売買では、大きな金額が動くため、仲介手数料の支払い条件もクリアにしておくことが大切です。通常、売買契約が成立した時点で手数料の半額を支払い、残りは物件引き渡し時に支払います。

売買契約を進めるにあたっては、不動産会社と共にすべての財務条件を再確認し、契約書に明記することが不可欠です。また、契約書の内容に関しては、法的なアドバイスを受けることも検討しましょう。これにより、後々のトラブルを防ぐことができます。

引き渡し

一棟マンションの売却が完了した後、所有権移転登記が済んで決済が完了すると、物件の引き渡しが行われます。この段階で、買主への物理的な引渡しと法的な権利移転が完了します。

特に、一棟マンションに入居者が存在する場合、売却によって賃貸契約に基づく権利(賃料、共益費、駐車場使用料の収入など)も買主に移転します。これらの権利移転は、買主がスムーズに収入を得られるように、売買契約の中で明確に定義されている必要があります。

確定申告

一棟マンションの売却から得た利益には譲渡所得税が課されます。この税金を計算し、納付するためには、売却が完了した翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。

売却で損失が出た場合、条件によってはその損失をほかの所得と相殺する損益通算が可能で、その分だけ税金を減らせます。

確定申告を通じて、これらの税務処理を適切に行うことが重要です。

誤った情報を申告したり、申告を怠ったりすると、重い罰則が科される可能性があります。具体的には、無申告加算税として、本来納付すべき税額の最大20%が追加で課税されます。さらに、税金の納付が遅れた場合には延滞税も発生します。

一棟マンションを売却した後は、次の確定申告期間には特に注意を払い、税務署に正確な情報を提供し、必要な税金を期限内に全額納付するようにしましょう。

一棟マンション売却での税金や費用はいくら?

一棟マンションの売却では、大きな金額が動くため、かかる税金や費用もそれなりに多額です。ここでは、売却に伴う主要な費用と税金を整理し、具体的な計算方法も解説します。

登記費用

一棟マンション売却時には、所有権の移転や抵当権の抹消など、複数の登記変更が必要です。これには登録免許税が必要で、その額は不動産の価格や登記の種類によって異なりますが、司法書士に支払う報酬も含め、全体で数万円から十数万円の出費が見込まれます。

仲介手数料

売却成功時に不動産会社へ支払う仲介手数料は、売買価格に応じて変動します。法定上限は以下の通りです。

  • 200万円までの部分:5%(+消費税)
  • 200万円超~400万円まで:4%(+2万円+消費税)
  • 400万円超の部分:3%(+6万円+消費税)

印紙税

印紙税は、契約書に記載された売却金額に課税される税金のことです。

売買契約書に必要な印紙税も売買金額によって変わりますが、一般的には契約金額が高いほど高額な印紙が必要です。

譲渡所得税

売却益が出た場合、譲渡所得税が発生します。譲渡所得は「売却価格 -(取得費+売却にかかる費用)」で計算され、所得税と住民税、復興特別所得税が課税されます。

  • 短期保有(5年以下)の場合の税率:約39.63%
  • 長期保有(5年超)の場合の税率:約20.315%

そのほかの費用

  • ローン完済手数料:金融機関によるローンの完済手続きには手数料がかかる場合があります。
  • 建物の解体費用:売却前に建物を解体する場合、その費用も売主の負担となります。

これらの費用と税金を事前に把握し、適切な準備をしておくことが、スムーズな一棟マンション売却につながります。

1棟マンション売却は取引額が大きいため、通常の不動産取引より費用が高額です。不明点は事前に不動産会社などに相談し、予期せぬ負担を避けましょう。

マンション売却で発生する税金の相談先

一棟マンションの売却に伴い発生する税金の相談は、専門的な知識を持つプロフェッショナルに行うことが重要です。適切な相談先を選ぶことで、税金の計算過誤を避け、法的なトラブルのリスクを低減できます。

売却によって発生する譲渡所得税に関する正確な情報は、地域の税務署が提供する情報に基づいています。税務署では、個々のケースに応じた税金計算や確定申告の手続き方法についての具体的なアドバイスを受けることができます。

不動産の売却に関連する税金は複雑であり、個々の事情によって大きく異なることがあります。そのため、不動産売却の経験豊富な税理士への相談がおすすめです。税理士は、譲渡所得税の計算だけでなく、節税対策やさまざまな税務上の問題に対応するための具体的な提案を行います。

一棟マンションの売却経験があるオーナーからのアドバイスも非常に有益です。しかし、この種の経験者は少ないため、現実的には税理士や税務署への相談が中心となるでしょう。

不動産売却における税金計算は、高額な取引が関わるため、小さなミスが大きな損失につながる可能性があります。そのため、専門家としっかりと相談を行い、すべての税務処理を正確に行うことが必要です。

この記事を書いた人

著者写真 TERAKO編集部
小田急不動産
鈴木 和典

小田急グループの総合力を活かしながら、これまで幅広く不動産実務を経験して参りました。現在は、本社営業センターの責任者を務めております。私たちの発信が人生100年時代の選択肢を広げるきっかけになれれば大変うれしく思います。 著者の記事一覧はコチラ
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