不動産投資
2024.03.28

アパートを処分する理由は?おすすめの処分方法や注意点も紹介

アパートを処分する理由は?おすすめの処分方法や注意点も紹介

アパートを所有していると、老朽化や管理費の問題、相続税対策など、さまざまな理由で処分を考えることがあります。

しかし、一度手に入れた不動産をどのように処分すればいいのか、その方法や注意点は必ずしも明確ではありません。

アパートの処分に至る理由と、その際の最適な手段を詳しく解説します。また、処分を進めるうえでの注意点も紹介します。

この記事の目次

本当に処分していい?アパートを処分する理由

アパートの所有者が、アパートを処分するにはさまざまなタイミングや理由があります。多くの人はどのような理由で処分しているのか、その理由を見ていきましょう。

アパートを相続したけど維持・管理ができない

アパートを所有している方の全員が、みずからの意思でアパート経営をされているわけではありません。親の相続でアパートを所有することになった方もたくさんいます。

アパートを相続しても、以下のような理由でアパートを処分される方が多いです。

  • 経営のことは、まったくわからないので処分したい
  • アパートの場所と自宅が遠すぎて維持管理が難しい
  • 相続したアパートを現金化して、ほかの相続人に分配したい

特にアパート経営のことをまったく知らない方は、経営のリスクを理解しないで不動産会社に任せっきりでいると、急な出費が発生したり、大きな損害を生んでしまったりといった危険があるので、相続したときに処分してしまうのは、よいタイミングともいえます。

老朽化で維持費が払えない

アパートが老朽化してくると修繕費がかかってきます。

築10年ぐらいまでなら、それほど大きな修繕は必要ありませんが、築10年以上たつと外壁・屋根塗装などの大規模修繕が必要です。

築20年以上たつと雨漏り修繕・各設備の入れ替え、住戸内のリフォーム・リノベーションなどに多くの費用がかかります。これらの修繕をしないと入居率が悪くなってきて、収益性も下がります。

アパートの老朽化で維持費が払えなくなり、アパートを処分される方が多いです。大規模修繕などの見積りの際に、必要な修繕費と今後の収益性のバランスが悪ければ、処分のいいタイミングになります。

買い替えでもっといい物件に入れ替える

所有しているアパートの売却で得た利益を頭金にして、もっと収益性の高い物件への買い替えも、アパートを処分するタイミングのひとつです。

築年数は浅いほうが売りやすいので、古くなって売りづらくなる前に新しい物件に入れ替えたい、という方が多いです。

アパートの老朽化で維持費の負担が増したり、入居率が低くなってきたりしたら、処分のいいタイミングになります。

資産処分で現金化

「子供が大学に行くのに資金が必要」「親御さんの介護施設の入居資金が必要」など、まとまった資金が必要なときに、アパートを処分される方もいます。

アパート経営は、将来の万が一のための備えとして始められる方も多く、これが本来のアパートの処分理由です。

特に現金が必要ではないけど、「アパート経営が面倒になってしまった」「不動産以外の投資に回したい」などの理由の場合もあります。

アパートを処分する方法

アパートを処分する方法は「収益アパートとして処分する方法」「土地として処分する方法」「不動産会社に買い取ってもらう方法」などがあります。

どの処分方法がいいかは、アパートの築年数や入居状況、またはアパートの規模等によって異なります。

そのまま売却する

建物をそのままに、収益アパートとして売却する方法です。

築年数がそれほど古くなく、入居率もいい物件は収益アパートとして売却するのが望ましいです。ほかの方法に比べると、売却費用や売却にかかる期間も短くすみます。

アパートの売却において一番多い売却方法です。

古家付き土地として売却する

アパートが古く、修繕費がかかってしまい収益性が悪い場合は、土地としての価値のほうが高い場合があります。その際は、アパート(建物付き)ではなく土地として売却します。

ただ、更地にするには解体費用がかかってしまうので、売却する前に解体費用を支払う必要があります。解体費用が用意できない場合は、古家付き土地として売却ができます。

土地の価格から解体費用を差し引いた価格で売却ができるので、解体費用を支払う必要はありません。

更地渡しとして売却する

古家付き土地として売却するよりも、比較的高く、また売りやすいのが更地として売却する方法です。解体費用が用意できる方は、更地として売却する方法をおすすめします。

古家付きでも、更地で売却するにしても、土地として売却するには入居者がいない状態でないとできませんので、入居者の立ち退きが必要です。

しかし、立ち退きは相当な時間と資金が必要になり、トラブルも多いので簡単にはできません。基本的には入居者が全員いなくなってから、売却するのが望ましいです。

個人への売却が難しければ、不動産会社に買取依頼

「物件の規模が大きい」「建物の老朽化で建物は使えないが、入居者がたくさん残っている」など、個人への売却が難しい場合は、資金力のある不動産会社に買取ってもらう方法があります。

不動産会社の買取の場合は、基本的には入居者がいても、建物の修繕が必要でも、そのままの状態で買ってくれますし、買い手を探す時間も必要ないため、手間なく短期間で売却が可能です。

しかし、個人へ売るよりも、金額は安くなってしまうケースが多いです。個人への売却が難しい場合や、金額よりも手間なく早く売りたいという方には、不動産会社の買取がおすすめです。

アパート処分時の注意点

不動産会社に売却を依頼する前に注意しておかないと、不当に安く売られてしまう場合もありますので、自身のアパートがいくらぐらいなのかの下調べをし、なるべく収益不動産の売却に慣れた不動産会社に相談してください。

処分のタイミングについては、入居状況が悪いと安くなるリスクがあるため、なるべく入居率が高いときに売却を依頼しましょう。

また、売却益が出る際はアパートの所有期間が5年以下の場合は約40%高いので、注意しましょう。

相場を知る(不動産業者の言いなりにならない)

アパートの売却は通常、不動産会社に依頼をすると思いますが、不動産会社に相談する前に、あらかじめ相場を知っておくことが大切です。

何も知らずに不動産会社の言いなりになって売ってしまうと、安く売られてしまうリスクがあります。

相場を知るために、収益不動産専門の物件検索サイトで、近くのエリアで同じようなアパートがいくらぐらい(金額と利回り)か検索してみてください。

物件検索サイトに掲載されている物件は基本的に少し高めの価格なので、実際に売れるのはそれよりも5〜10%を目安に安いと予想しておきましょう。

また、物件の査定を依頼する際は1社だけではなく複数社に査定をお願いしましょう。査定額が高ければいいというわけではありませんが、もっとも納得のいく査定額を参考に売却するためです。

収益不動産に特化した不動産会社に依頼する(アパート売却に慣れていない不動産会社は注意)

アパートを購入するのは基本的に投資家になります。賃貸や住居をメインにしている不動産会社では、投資家のお客さんを持っていません。

また、アパートの価格査定には投資の専門的な知識が必要なりますので、普段、収益不動産を取り扱っていない不動産会社に依頼しても、売るのに時間がかかったり、安く売られてしまったりするリスクがあります。

アパートを処分するときは、収益不動産に特化した不動産会社に依頼しましょう。

入居率を高めておく(空室が多い物件は価格をたたかれる)

アパートの売れ行きには、入居率が大きく影響します。

入居率が低い場合は収益性が下がってしまうので、それだけアパートの価値が下がってしまいます。

逆にアパートが満室になっていると収益性も上がりますし、購入検討をしている人も安心して購入できるので、空室があるようであれば、なるべく入居率を上げてから売却してください。

ただし、入居者が1〜2室だけという場合は、土地として売却をしたほうが高く売れる可能性がありますので、反対に全部空室にしてから売却したほうがよいでしょう。

売却後の税金(利益が出た場合は課税される)

売却をして買ったときよりも高く売れた場合は税金が課され、税率は所有期間で大きく変わります。

所有期間が5年以上の場合は所得税・住民税の合計で約20%、5年以下の場合は約40%の税金がかかります。

購入時より売却価格が高く利益が出る場合で、所有期間が5年以下の方は売却するタイミングを遅らせたほうがいい場合もあります。

この記事を書いた人

著者写真 TERAKO編集部
小田急不動産
鳥塚 正人

難解なイメージのある投資不動産の取引について、『わかりやすく』お伝えすることにこだわってます。不動産投資は、それぞれ置かれている状況、ご事情やご希望条件によりゴールへの道筋が異なります。皆様にとって最適な道標を描くヒントとなれるような情報発信を心がけます。 著者の記事一覧はコチラ
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