アパートの修繕で使える補助金を紹介!他にも費用を抑えるコツはある?
アパート経営では、建物の資産価値を維持して入居率を保つためにも、定期的に修繕を行う必要があります。しかし、資金面で余裕がないため、修繕を実施するか悩んでいるオーナーもいるかもしれません。
そんなときに利用を検討すべきなのが、国や地方公共団体(自治体)による支援制度です。
アパートの修繕で使える補助金について、対象の工事や補助内容などをまとめました。また、補助金以外にも修繕費を抑えるコツなどを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
アパートの修繕で利用できる補助金
2023年11月時点で国土交通省「住宅リフォームの支援制度」に掲載されているアパートの修繕やリフォーム費用に利用できる補助金・助成金についてまとめました。
現在検討しているリフォームだけでなく、合わせてお得に施工できる補助金があるかもしれませんのでチェックしてみてください。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の長寿命化や省エネ化
などを目的とする性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援などを行う事業です。
対象 |
戸建住宅または共同住宅のリフォーム工事
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補助内容 |
工事費用などの3分の1 限度額:評価基準型が1戸あたり100万円、認定長期優良住宅型が1戸あたり200万円 |
利用条件 |
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備考 |
住宅登録期間:令和5年12月15日(金)まで 限度額は条件により50万円アップ |
参考:国立研究開発法人 建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材を用いた住宅の断熱リフォームを支援する事業です。
対象 |
補助対象の高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を使用した断熱リフォーム 対象製品は公益財団法人 北海道環境財団「補助対象製品一覧(令和5年)」で確認可能 |
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補助内容 |
工事費用などの3分の1 限度額:1戸あたり15万円(玄関ドアも改修する場合は1戸あたり20万円) |
利用条件 | 店舗・事務所などとの併用は不可 |
備考 | 現在公募はなし、今後も数回公募予定 |
詳細:公益財団法人 北海道環境財団「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」
先進的窓リノベ事業
先進的窓リノベ事業は、先進的な断熱性能の窓に交換するリフォームに対する支援事業です。
対象 | 既存住宅の所有者などが、登録事業者である「窓リノベ事業者」と契約し、窓(ガラス)を交換(断熱改修)するリフォーム工事 |
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補助内容 | 限度額:1戸あたり200万円 |
利用条件 |
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備考 | 工事請負契約日の期間:2022年11月8日~遅くとも2023年12月31日まで |
参考:先進的窓リノベ事業「補助金の交付申請」
給湯省エネ事業
給湯省エネ事業は、特に省エネ性能の高い高効率給湯器の設置に対して支援する事業です。
対象 | 既存住宅の所有者などが、給湯省エネ事業者と契約し、高効率給湯器を設置する工事 |
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補助内容 |
※共同住宅など:1戸あたりいずれか1台まで |
利用条件 |
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備考 |
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参考:給湯省エネ事業「事業概要」
地方公共団体(自治体)ごとの支援制度
紹介した補助金以外にも、国で住宅の耐震改修に対して間接支援している「住宅・建築物安全ストック形成事業」をはじめとして、地方公共団体(自治体)によって個別に行われている支援制度があります。
地方公共団体ごとの支援制度は「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で検索できます。
引用:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
物件の所在エリアにリフォーム支援制度があるかチェックしてみましょう。
補助金以外にアパートの修繕費を抑えるコツはある?
補助金の種類や対象は限られているため、自分が行いたい修繕に補助金が出るとは限りません。
補助金が出ない場合、修繕費はすべてオーナーの負担となってしまいます。補助金がなくてもなるべくアパートの修繕費を抑えられるポイントについて解説します。
定期的な点検とメンテナンス
定期的な点検を行い、こまめにメンテナンスをしておけば、既存の設備や機器の耐用年数を伸ばせます。
また、定期的に点検を行えば問題箇所があった場合でも早期に対応できるため、結果的に修繕費を抑えられます。特に、屋根や外壁は修繕費がかさみやすいため、劣化状況を確認しておくとよいでしょう。
それだけでなく、問題が大きくなってから入居者からのクレームが起きる事態も防げます。
さらに、入居者を募集している場合は、管理状態がよいアパートとしてプラスの印象を与えられます。入居者獲得につながることも期待できるでしょう。
予防的な改修
下のグラフは国土交通省の「民間賃貸住宅の大規模修繕等に対する意識の向上に関する調査検討報告書」で、民間賃貸住宅のオーナーが大規模修繕を実施しない理由を示したものです。
引用:国土交通省「民間賃貸住宅の大規模修繕等に対する意識の向上に関する調査検討報告書 」
グラフから、オーナーの多くは「資金の余裕もないし、必要なときに修繕すれば十分」と考えて修繕をなかなか実施しないことがわかります。
問題が起きていないうちは、費用をかけて改修するのを先送りにしがちです。しかし、年数が経過して劣化が進んだ部分について計画的に改修を実施するほうが結果的に修繕費を抑えられます。
予防的な改修は、将来の問題を防ぎ建物の寿命を延ばす重要な措置といえるでしょう。
- 時間をかけて見積りを取り、コストの安い施工会社を探す
- 複数個所をまとめて発注し値引きしてもらう
- 閑散期を狙って割安で工事してもらう
上のような方法を使って費用を抑えられないか検討してみましょう。
入居者の審査
建物の内部の修繕費を抑えるコツとして、「マナーのよい入居者を入居させる」のも重要です。
空室を埋めたいからと、多少審査で不安点があっても通してしまうと、一時期の家賃収益よりかえって修繕費や原状回復費用のほうがかかってしまう事態にもなりかねません。
部屋は使う人によって、室内の劣化度合いは大きく変わります。虫やカビを発生させたり、使い方が荒く設備を破損させたりするような人を入居させないように、なるべく入居審査の時点でよくチェックしておきましょう。
アパートの修繕より売却を検討すべきケースも
物件やオーナーの状態によっては、お金や労力をかけてアパートを修繕するより売却したほうがよいこともあります。
ここで紹介するケースに当てはまる場合は、修繕を実施する前に不動産会社への相談を検討してみましょう。
アパートが古く、大規模な修繕が必要な場合
アパートが古くなり大規模な修繕が必要な場合、修繕しても空室率改善による収益増加の効果が期待できない可能性もあります。特に、築年数が経過しているアパートでは、修繕にかかる費用が収益を上回ることも考えられます。
修繕にかかる費用と今後見込まれる家賃収入を比較して修繕の効果が低いと感じたら、売却を考えたほうがよいでしょう。アパートの売却で将来の収支悪化のリスクを回避できるだけでなく、売却して得たお金で別の資産運用も選択できます。
需要が低下している場合
周辺に新しい物件が増えたり、周辺の人口が減ったりといった理由で、アパートに対する需要が低下して入居率が下がっている場合も売却を検討すべきでしょう。
空室率を改善するための修繕で、のちのち「修繕したはよいけれど、退去ばかりで空室が増えて修繕費が回収できない」となっては本末転倒です。将来的な需要も考えて、場合によっては早めに撤退するのもひとつの方法です。
アパート経営を引き継ぐ相手がいない場合
現在は修繕を実施しても収益に問題がないとしても、将来的に引き継いでくれる人はいるでしょうか。
高齢になりアパート経営を引退したくなってから売却するのも、将来アパート経営を引き継ぐ意思のない子世代にアパートを相続するのもどちらも負担となります。
収益が出ているうちに売却し、将来のために活用しやすい資産に変えておくことも考えておきましょう。
アパートが得意な不動産会社に相談しよう
費用をかけてアパートを修繕すべきかどうか迷ったら、まずは一度、アパート売却が得意な不動産会社に相談してみましょう。
修繕の必要性やいくらで売れそうなのかをプロの立場からアドバイスをしてくれるため、最適な選択肢を選べます。
また、いきなり相談するのは敷居が高いという場合は、試しに無料査定を依頼してみるのもおすすめです。査定のやり取りのなかで、実績もあり信頼できる不動産会社かどうかがわかるでしょう。
この記事を書いた人
TERAKO編集部
小田急不動産
鳥塚 正人
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